心臓リハビリテーション科
心臓リハビリテーションとは、心疾患の患者さんが安全で効果的な運動を行う事で心臓の負担を減らし、体力を回復して自信を取り戻し、心臓病の再発や再入院を防止することを目指して行う総合的な活動プログラムの事です。
- 専門知識を持った医師、理学療法士、看護師、薬剤師、臨床心理士など多くの専門医療職が関り、患者さん一人ひとりの状態に応じた効果的なリハビリプログラムを提案し、実施します。
運動療法
開始にあたり一人一人の体力に応じた適正な運動強度を見極めるために運動負荷試験を行い、その結果からその方にあった運動処方を作成します。主な内容は有酸素運動(自転車こぎまたはウォーキング)、筋力トレーニング(自重、チューブなどを使い、上肢・下肢の筋力を鍛えます)などがあります。
食事や服薬などの生活相談
心臓病の再発を予防するためには食事や塩分摂取、服薬などを含めた生活習慣の改善が必要です。定期的に看護師や理学療法士、薬剤師からの生活習慣の服薬確認を受けます。
相談(カウンセリング)
抑うつ症状は様々な疾患で現れる症状ですが、心臓病の方は一般の方と比べておよそ3倍多いとされています。こういった抑うつ症状を防ぐための臨床心理士による心理的サポートを行います。
当院が力を入れている検査・治療
心臓リハビリテーションによるチーム診療と心不全予防外来
心臓リハビリテーションの効果
※PCI 心臓カテーテル治療の事
治療・検査機器紹介
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レッドコード
(ノルウェーRecord社)紐を持ちながら、安全に楽しく、その方に合わせた負荷をかけた運動を行うことができます。
立ち上がり等の日常動作訓練から、ストレッチや有酸素運動や体幹トレーニングまで、幅広く動作訓練や運動を行うことができます。 -
トレッドミル
(日本セノー社)ランニングマシンにて歩行の訓練を行います。主に心肺機能を高めるための有酸素運動を行います。
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体組成計
(日本タニタ社)体重の内訳を表示します。主に筋肉量や脂肪量等体の水分量(むくみの判定)推定骨量等、基礎代謝も簡便に計測することができます。
栄養指導や運動指導において活用します。
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臨床分析装置 (日本 日本光電)
HbA1cとCRPの測定装置です。HbA1cは赤血球の中で体内に酵素を運ぶ役目のヘモグロビンと、血液中のブドウ糖を測定します。CRP(C反応性蛋白)は、人体内で炎症性の刺激や細胞の破壊や急性炎症のマーカーとして利用されています。
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全自動血球計数(日本 日本光電)
血液検査で使用する装置です。血液中に含まれる白血球、赤血球、血小板などの血液検査データの測定ができます。
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24時間心電図記録形 (日本 日本光電)
日常生活の心電図を記録し観察する検査です。動悸、息切れ、胸の痛みなどの症状があった時の心電図はどのような状態かなど1日24時間の心電図変化を捉える器械です。
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心電計(日本 日本光電)
心臓の電気的活動を記録して、被検者の心臓の状態を観察します。
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ストレングスエルゴ8 V2
当院の一般的なエルゴメータ機器。ゼロワットから1ワット単位で、ペダルを回す速さによらず指定された負荷を提供します。
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エルゴメータ STB-3400
20通りのプログラム登録が可能で、個々の状況に対応したトレーニングが効果的に行えます。当院の心肺運動負荷試験 CPxにも対応しています。
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心肺運動負荷試験 CPx
心臓病の方がどの程度の運動が可能かをみる検査です。口にマスクを装着し、エルゴメータ(STB-3400)のペダルを漕いでもらいながら呼気中のガス分析を行うことで心肺機能や運動耐用能を評価します。また心電図や血圧をみながら、狭心症や不整脈の出現がないかも確認します。
この検査を行うことで心臓病の方でも安全かつ効果的に行える運動のレベルを把握することができ、それを元に心臓リハビリテーションプログラムを作成できます。また治療の効果判定を行う際にも有用です。当院ではより安全に科学的に運動指導を行うためにこのCPX検査を行っています。