循環器科の診療案内
循環器科はおもに不整脈や狭心症、心筋梗塞などの心臓病や脳卒中といった動脈硬化性疾患が対象です。高血圧、高脂血症、糖尿病やメタボリック症候群など生活習慣病の管理も大切な領域です。
最近は癌に次いで死因の2番目に来るのが心臓病や脳卒中といった循環器の病気なのです。脈がとぶ、ふらつく、胸が痛いなど症状のある方はもちろん、無症状の方も健康管理のために循環器科の診察においで下さい。
日々のちょっとした生活管理が長い期間にわたると大きな差を生み出します。毎日の診療の中で健康管理の注意点をわかりやすくお伝えしたいと思っています。
おもな循環器疾患
1)狭心症・心筋梗塞(虚血性心疾患)
狭心症の治療目的は心筋梗塞への移行を予防することにあります。不幸にして心筋梗塞が発症した場合には速やかに入院して梗塞の拡大を防ぎ、心筋を壊死から守る治療が行われます。
心臓カテーテルによる治療(PCI)が盛んですが、高度な技術と迅速かつ的確な判断が要求されます。急性期の治療はもちろん入院となります。当院での治療は狭心症や心筋梗塞の発症予防と慢性期の管理が中心となります。
2)高血圧症
家庭での血圧が135/85以上は高血圧と判断されます。高血圧は心臓病、脳卒中、腎不全の発症と密接に関連しており、血圧の管理基準が年々厳しくなってきています。たとえば高齢者(80才以上)の血圧管理目標は以前は160/90でしたが現在は140/90とされています。家庭血圧が正常であっても、白衣高血圧といって病院で測ると血圧が高くなることはよく経験することです。白衣高血圧であっても循環器疾患の発症率が高くなるといわれています。
高血圧の治療は近年、多くの薬が開発されて昔に比べると格段に進歩しました。近年の脳出血の減少がそれを物語っています。さらなる治療成績の向上を目指して厳格な血圧管理を皆様にお願いしたいと思っていま.す。
3)不整脈
動悸、めまい、心臓あたりの不快感などは不整脈が疑われます。反対に無症状のこともあります。突然死につながるものから放置してもよいものまで多くの種類がありますので、24時間心電図や超音波検査、運動負荷心電図検査などの精密検査が必要です。
最近のトピックは心房細動という不整脈で脳梗塞の基礎疾患として重要視されています。心臓カテーテルによる不整脈治療(心筋焼灼術・アブレーション)も近年、非常に進歩しています。また心房細動に伴う脳卒中の予防も新薬の登場で大きな進歩が期待できそうです。
4)脳卒中
死亡原因の第2位です。脳出血は減りましたが、脳梗塞が増加しています。
脳梗塞の予防が今後の課題ですが抗血小板薬やスタチンとよばれる抗コレステロール薬の脳梗塞予防効果が実証されてきているので今後に期待がもてます。